「新築に求めること」「重視すること」に私は住宅性能に結構ウェイトを置いています。
その住宅性能のひとつに断熱性能がありますが、断熱性能を上げるには色々な方法があります。
家を建てる時の断熱材については“断熱性能アップの為に断熱材の厚みを増す!”で記事にしました。
そして今回は断熱性能に大きく関わってくる窓についてです。
新築の建物で断熱性能を気にすると断熱材が気になったりする人も多いと思います。
ま、外壁や屋根は外気と室内を仕切る部分の断熱材を気にするのは当然かもしれませんけど(汗
しかし、窓も住宅の断熱性能と大きく関わります。
というか、窓をおろそかにすると断熱材を気にしている意味が無くなるくらい関係しているかと・・・(・ω・)
もしかしたら、断熱材とかより窓の影響の方が大きいくらいかもしれません。
それぐらい窓は住宅性能との関わりが大きいです。
「窓と断熱材の施された壁、どちらが断熱性が高いでしょうか?」
と聞かれた場合、
「窓の方が断熱材入りの壁より断熱性が高いに決まってるじゃん!」
って答える人は皆無だと思います(笑
そもそも深く考えるまでもなく、直観的にでもそう感じますよね?
その直感は正しく、窓は断熱材入りの壁ほど断熱性能はありません。
条件や仕様にもよりますが、一般的な窓と壁での場合、窓は壁の1/10程度の断熱性能しか無いとも言われています。
なので外気と室内の熱の出入りは外壁より窓からの方が影響しているということにもなります。
夏は約70%の熱が窓から入ってきてしまい、冬は約50%程度熱が逃げてしまうとも言われています。
コレってヤバくないですか?
性能の高い断熱材を使ったり、断熱材の量(厚み)を一生懸命増やしたりしても、窓を気にしなかったらせっかくの断熱性能が無駄になる可能性もあります。
断熱材での断熱性能は、一般的な住宅であればそれほど極端な差はつかないかもしれません。
それでも材質や寸法によっては差はありますけどね。
(もちろん、その性能を発揮するための施工品質は大切です!)
しかし、窓の仕様を変えることは断熱材以上に断熱性能を上げる結果に繋がる可能性があります。
(窓の形状や大きさ、方角や周りの建物の状況などに異なるので一概には言えませんが)
そういう意味では住宅の断熱性能を良くしたいと思う場合、断熱材とセットにして考えなくてはいけないのが窓の問題だと思っています。
それくらい窓と断熱の関係は大きいので家づくりを検討されている方は窓についても色々と考えた方が良いです。
さて、そんな住宅の断熱と関わりの大きな窓について、私が今回家づくりを計画する上でどんな風に話しを進めているかについて書きたいと思います。
窓の大きさ、数は断熱性にも関わる
窓での断熱性能はどうしても壁などの断熱性能に比べると劣ります。
そういう意味では断熱性能と窓との関係を考えた場合、、、、
断熱性能を高める極論を言えば窓を無くす!です。
でもコレはあり得ませんよね?(´▽`)
外の光も入らず、風を取り入れることも出来ず、解放感0の圧迫された室内・・・
そんな家はいりません!
って感じです(笑
そもそも窓は光や風をコントロールすることで住み心地や快適性を向上させる役割もありますからね。
窓には窓の役割がキチンとあるのです!
それを捨ててまで断熱性能を上げる意味がない!
ま、これは極論ですが実際には断熱性を意識するなら窓の置きさや数などを計画が必要になると思っています。
コレも住宅の何を重視するかに関わってくる部分ではありますが・・・。
例えば、大きな窓を沢山家中に付けて解放感抜群の家を望むとします。
常に明るくて解放感のある家・・・
これは私も良いなと思います。
しかし、そんな風にするにはやはり断熱性能はそれほど望むことができないと思います。
極端な話し、壁一面がガラスの作りの部屋は室内と外気の堺がガラスだけで仕切られるわけですから断熱材のシッカリ入った壁と同等の断熱を望むには無理があります。
例えサッシ、ガラスの性能を上げたところで高い断熱性能を持った壁みたいな効果は難しいです。
大体想像はつくと思いますが、窓を大きくすればするほど、数を増やせば増やすほど住宅の断熱性能は低くなっていきます。
だから私は窓の大きさや数などを意識して打合せをしました。
間取りプランの提案では解放感のある窓の取り方や大きさで素敵な部屋が出来るような内容でした。
でも、先ほどから言っているように解放感があり過ぎて断熱面ではちょっとよろしくないと思って窓の大きさや数、形などを打合せしながら変更してもらいました。
あとは平面図、立面図では大きくて感じの良い窓でも敷地の両隣、後ろの現状を図面と重ねて考えた場合、解放感があるといっても見えるのは近所の家・・・・(笑
もし窓の外に素晴らしい景色が見える場所ならもう少し考え方も違うのかもしれませんけどね。
ちなみに最初の提案プランでは建物のことを中心に窓の計画がされていました。
先ほど書いたように両隣、後ろには住宅が建っています。
それら全てが隣接しているわけではないのですが、それでもお互いがめちゃくちゃ離れているわけでもありません。
なので窓を配置するにあたり、周りの住宅と窓の位置が極力被らないようにしたい話しをしてもう一度現地調査をしてもらい窓の位置も検討してもらいました。
窓の位置や大きさは建物の強度にもかかわってくることなので打合せの初期とはいえある程度現実的な計画を取り入れたかったということもあります。
このように、私の場合は必要以上な窓を作らず(とはいえ、LDKは大きな掃き出しサッシにしたり北側は窓を少し大きめにして光を取り入れるなどちゃんと考えましたけどね!)適切な位置に適切な置きさの窓を計画するということを行いました。
展示場やカタログに載っているような見た目では理想的な窓の計画はしなかったということです。
とはいえ、“家は性能が全てか?”でも書いたように、家の性能だけを求めて他は妥協なんてことは基本的にはあり得ません。
今回で言うなら、断熱性能を上げるために最低限、光の入ってくる窓を付けるだけなんてことはしたくないですし。
そんな家づくりの仕方をしていたら“何のために家を建てるんだ?”って根本的な部分にも関わってきますからね。
なので必要と思う部分には必要な大きさの窓をちゃんと計画しました。
例えば1階と2階にはそれぞれ南側にLDKがあるのですが、こちらには光を沢山取り込めるだけの大きな掃き出し窓などを付けていますし、各部屋にも当然なるべく暗くならないいような窓はキッチリ設けています!
“必要なものは必要と考え、計画に取り入れる”当たり前のことです(´▽`)
ただ、それによってデメリットとなる事柄がどうしても出てくる場合は、別のことでカバーする方向で考えるようにしています。
例えば、大きな窓の部分には庇を付けたり軒を大きく作って直射日光の影響を小さくするする方法も考えられます。
または窓に取り付けるサッシ性能を向上させて断熱性をカバーするという方法も考えらます。
このように何かを選択することで何かが不利になる場合、それを何かで補うことで理想の家づくりが出来るんだと思います。
ということで・・・断熱性能と窓について、そして窓の大きさについて書いていたらまたまた長くなってしまったので続きは次回にして今回はこのあたりで一旦終わりとします。
次回は住宅断熱性能のための窓の材質についても検討をした内容について書きます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/
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