我が家の新築工事で前回、基礎の鉄筋組工事を記事にしましたが、今回はその続きとなります。
前回の記事がちょっと長くなり過ぎたので(汗
前回の記事は
基礎の鉄筋工事のポイントとして
・配筋(配筋ピッチ)が正しく施工されているか
・鉄筋の重ね継手が必要な寸法を確保できているか
についてを記事にして説明をしました。
今回は
・鉄筋の定着必要寸法が確保されているか
・鉄筋のコンクリートかぶり厚は確保できているか
についてです。
鉄筋の定着必要寸法が確保されているか
基礎の鉄筋工事で鉄筋同士の定着寸法も重要です。
鉄筋の定着って何?って方のために簡単に説明をすると、、、
鉄筋の定着とは、鉄筋がコンクリートに飲み込んで抜けない必要な長さです。
基礎にはベースと立上り部分がありますよね。
いくら頑丈なベース、頑丈な立上りであってもベースと立上り部それぞれの接合が弱かったら何の意味もありません。
また、立上り部分にはコーナーのようなL型や、T型の部分が出てきます。
これらが繋がる接合部分が弱かったら頑丈な一体の基礎とはいえませんよね?
L型やT型以外にも、例えば一直線につながっている基礎立上りであっても、鉄筋の形状が途中で変わる場合も同じで、それぞれの鉄筋同士がコンクリートの中でガッツリと一体の梁となる必要があります。
ちょっと言葉だけではわかり難いかなと思ったので我が家の写真で説明をするとオレンジ色で囲ってある部分が定着の場所となります。
分かりやすい場所を何ヶ所か囲っただけなので実際は至る部分に存在します。
基礎を作る際にはこれら鉄筋の定着はとても重要なポイントとなります。
この定着の長さがどれくらい必要になるか?と言うとですね、特殊な場合を除き40dの長さが必要となります。
こちらの記事で説明をした鉄筋の重ね継手と同じですね。
鉄筋の役割に違いはありますが、必要な長さの基準は同じとなります。
なのでとりいえずは普通の住宅の基礎の場合、40dという基準さえ覚えておけば大丈夫だと思います。
鉄筋のそれぞれの太さが変わった場合や高さに違いが出てくる場合、その他諸々疑問が出てくるかと思いますが・・・・これまた割愛で!(笑
というか、細かいことを説明し出すとマジでキリがないですから・・・(汗
さて、我が家の基礎鉄筋の確認をしたところ、概ね問題はない状態でした。
概ねと表現したのは一部、怪しい部分があったからです。
それについてはまた別の記事で書きたいと思います。
接合部といえば基礎の外周角にコーナーハンチの施工もきちんとされていました。
基礎のコーナーハンチとは字の如く、基礎のコーナー(角)にハンチ(斜めに三角のもの)を作ることです。
コーナーハンチの目的は基礎の強度を高めることにあります。
基礎に地震などの大きな力が鍬分かった場合、一般的にはコーナー部分に力が集中しやすいためにコーナーにハンチを作り強化している作りとなっています。
次に
コンクリートかぶり厚は確保できているか
につてです。
鉄筋のコンクリートかぶり厚とは何かも簡単に説明しておきますね。
鉄筋のコンクリートかぶり厚とはこれまだ字の如くなのですが・・・
鉄筋を覆っている(鉄筋にかぶっている)コンクリートの厚さのことを言います。
要するに、鉄筋の表面からコンクリートの表面までの厚さのことです。
この鉄筋のかぶり厚も基礎工事で重要なポイントとなってきます。
どれだけのかぶり厚が必要かというと、一般住宅では2つの寸法を覚えておけば良いと思います。
まず1つ目として、基礎の一番底の鉄筋(ベースやハリの一番下の鉄筋)から地面(砕石や捨てコンクリート)までコンクリートの厚みが60mm以上必要です。
もうひとつは、鉄筋から型枠までの寸法が40mm以上必要です。
そういう意味ではベースの鉄筋からベースコンクリート表面までも同じで40mm以上が必要です。
ちなみにこの寸法は一般的な基礎での話しなのでそれ以外の構造物の柱、梁や特殊な構造のものは鉄筋のかぶり厚に色々な決まりがあり寸法も違います。
そしてこのコンクリートのかぶり厚が重要な理由についてです。
鉄筋のかぶり厚はコンクリートで鉄筋を保護する目的、言い換えれば耐久性を保ち続けるのが主な目的であり、そのために決められた厚みが必要となるのが重要になる理由です。
その他にも鉄筋の耐火性ま確保や鉄筋の座屈の防止などもありますが、これらはどちらかといえば鉄筋コンクリート造(RC造)などがメインとなってくると思いますので基礎だけで言えば主な目的として先ほどお伝えした耐久性を維持するために必要な寸法という理解で良いかと思います。
鉄筋(鉄)はみなさんが知っているように湿気などの水分でも酸化をおこし錆びてきます。
錆びは見た目だけでなく鉄筋の強度を落としていきます。
それをコンクリートで保護するわけです。
コンクリートはアルカリ性で酸性とは全く逆の性質を持っています。
そのためアルカリ性のコンクリートを巻くことで中の鉄筋の酸化も防ぎ、鉄筋本来の強度を維持し続けることにも繋がります。
ただし、コンクリートといえども長い年月でみれば劣化という現象は避けれません。
コンクリートの詳しい性質は省きますが、コンクリートは耐久年数は高いといえども長い時間が経つうちにアルカリ性から中性へと変化していく中性化という現象が起きてきます。
コンクリート表面からアルカリ性が失われていくのですがそれが次第にコンクリート内部まで進んでいきます。
こうなってくると内部の鉄筋が錆びやすい状態になってしまいます。
そして鉄筋が錆び(腐食)し始めてくると鉄筋が膨張してコンクリートにヒビなどが入る現象が起きてきます。
そしてそのヒビから更に水か浸透して鉄筋の腐食進行速度を速めます。
するとますます腐食した鉄筋がコンクリートを割って押し出す現象にも繋がってしまいます。
コンクリートの爆裂と呼ばれる現象です。
簡単にこんなことにならないように鉄筋の廻りには一定の厚みのコンクリートが必要なわけです。
要するに鉄筋のコンクリートかぶり厚が薄いと本来持つ基礎の強度が長い間維持されない状態になるということです。
基礎鉄筋のかぶり厚が薄いことが原因でコンクリートが爆裂し割れ剥がれ落ちてる現場もいくつも見てきました。
この経験上からも基礎を作るときの鉄筋かぶり厚はとても重要な要素と言えます。
また規定のかぶり厚があってもコンクリート中性化は避けられないため、少しでもそれを抑えるための対策もした方がいいかと思います。
これにつては基礎工事ではなく、出来上がった基礎にどう仕上げるかに関係してくるので別の機会で記事にしたいと思います。
さて、現在永和住宅で建てている新築の鉄筋工事を確認していましたが・・・
概ね問題はありませんでした。
残念なことに今回説明をした鉄筋に対しててのコンクリートかぶり厚が不足しているヶ所が何ヶ所があったからです。
写真を見てわかると思いますが、原因は基礎ベース底盤(地面と接する底の部分)のかぶり厚を確保するためのスペーサーブロックというコンクリート製のサイコロみたいなものが砕石にのめり込んだことが原因です。
基礎部分全体に捨てコンクリートを打設するとこのような事にはならないのですが砕石の上だと職方さん達が歩いたりしているうちにスペーサーブロックが沈む場合があります。。
このような場所が数ヶ所ありました。
その他、写真は撮っていませんが基礎立ち上がり部分の一部が芯から少しズレて型枠に近づき過ぎ、かぶりが確保されてない部分がありました。
工事の状況としてはすぐにコンクリート打設とい状態ではなく、まだ細かな部分の仕事が残っていたので最終的には直すんだろうなと思いつつも一応、現場監督に悪い部分を伝えて是正するように連絡はしておきました。
あ、別にこれは永和住宅さんの名誉のためにフォローしているわけではありませんよ(笑
私なりに良いものは良い、ダメなことはダメとフラットな視点で見ているので。
それに社員でもないのに一生懸命に庇う必要もないですしね(笑
さて、以上が基礎鉄筋工事で重要となる部分の説明と、現在工事中の我が家の状況説明となりましたが、色々と書いているうちに記事がまた長くなってしまいました・・・(汗
でもです、、、基礎の鉄筋でまだポイントとなる事があることに今気が付きました!
ということで、あと一回基礎鉄筋工事について記事にしようと思います。
これでも簡単に説明をしているつもりだけど鉄筋だけでどれだけ書いているんだって感じもしますけどね(汗
それでは今回も “家づくりブログ/新築で失敗せずに快適生活!” をご覧いただき、ありがとうございました!
コメント